2010年11月11日木曜日

想像力

塩野七生先生の本をはじめて手にした。前々から気にはなっていたのだが、敷居が高かった。
そんな時見つけたのが文春新書の「日本人へ リーダー編」である。
読み進めて行く中で様々な感動にぶつかる。


想像力についてという項目に、自分ならばどうするだろうと、相手の人になって考えてみる。想像力の勝負になる。ニーズという言葉があるが、ニーズは一つではない。それに応えようとすると様々な矛盾を生じる。ニーズの大洪水に見舞われ、優先順位すらわからなくなっているのではないか。それが、今の政治ではないかとも書かれていた。

  ・・・・・・・・私の勝手な感じ方かもしれないが、陸前高田市政もそこに陥っているように思える。

だからこそ、想像力が大切である。

先生の一文を紹介しよう。
 想像力が動き出すのは、疑問をいだいたときからだ。疑問をいだくのは、壁に突き当たったからからである。秀才とは学業成績の良い人のことだから、これまでに壁に突き当たったことも少なく、当然ながらその疑問を解決しようとしたあげくに、想像力に訴えるしかないと思い当たるまでの苦痛も、さして経験したことはないにちがいない。
 想像力も筋肉に似て、訓練をかさねていないと劣化してしまう。だからであろうか、学校秀才には想像力にかける人が少なくない。
 「いかなる分野でも共通して必要とされる重要な能力が、一つある。それは想像力だ。」
 とは私の言ではなく、500年昔にマキャヴェッリが遺した言葉である。「自分ならばどう考えるであろうか」を、あらゆることのスタート・ラインにしてみてはどうであろうか。
     文春新書 塩野七生著「日本人へ リーダー編」P97より抜粋

いま、これからの10年の陸前高田市を考える時、この言葉の重要性を改めて認識したところである。

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