2010年2月16日火曜日

地方議員は名誉職か否か

「地方議員は名誉職か否か」との議論が、また行われるようになった。今回の発信源は、川村名古屋市長である。「名古屋市の議会議員の報酬が高い。議員の数が多い。」との考え方からであるようだが、本当に地方議員は名誉職であり、その待遇を受けるべきものなのだろうか。
私は、「否」である。今、地方自治法の改正を見込んだ、地方主権への改革が始まっている。原口総務大臣、逢坂誠二首相補佐官が中心になってその検討を行っている。地方が、ガバナンスを持ち、その特色を活かして街づくりをする。金太郎飴ではない街づくりを、である。
力がある(この場合、財政力のあると言い換えることができると思うが)自治体と、そうでない自治体の間でますます格差が広がるとの意見も多く聞く。最初は、そうなるのではないかと思うが、地域が本当にその地域にあるものをいかした街づくりを、きちんとした長期ビジョンを持って進めることにより、その格差は縮まるのではないだろうか。
ただし、その長期ビジョンは、今の総合計画といわれる基本構想・計画とはまったく異なったものが必要になると思う。
10年後、20年後の地域の形を様々な角度から検討し、具体的な人口構成や、産業構造を明確に打ち出し、その姿に向かって様々な施策を計画展開する行政でなければ実行は不可能であると考える。今のような、「○○と△△があふれる、□□市」などといった、抽象的な言葉でまちをイメージする時代は、右肩上がりの経済状況の時には夢がありよかったと思うが、これからは、現実を見据え、具体的なまちを描き、それに向けて努力することが夢をつかむことになるのではないだろうかと考えている。
そのためには、議員と議会が重要になってくる。決して、名誉職ではない、責任を持った仕事として、具体的なまちづくりへの政策を作り上げるために、そして、チェックアンドバランスを保つためにも。
議員は、市民と行政とのパイプだけが仕事ではない。住民の意思を政策に反映させることとともに、責任を持って行政の進むべき道を選択する責任を持っている。時には、地域や職域といったところの代表として利益代表としての性格と、市全体を見て判断する公益代表としての性格を有する職であることを自覚する必要があると思う。
「議員」と「議会」は同じようであるが、別個のものである。われわれには、議員としての表決責任と議会としての団体意思の決定機関としての議決責任があることを忘れてはならない。その議論と判断の根底と先にあるものは、常に「市民」であることも。


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